介護の中でも、歩行介助は毎日のように行う基本的な手技です。
歩行介助とひとことで言っても、さまざまな種類があります。
寄り添って一緒に歩く寄り添い歩行介助は、介護職が隣に寄り添って一緒に前を向いて歩くため、高齢者はあまりストレスなく長い間歩き続けることが可能です。
ただ、バランスを崩しやすいので、介護職はしっかり相手の脇の下に腕を入れて、肘や手を下から支えながら介助する必要があります。
支える腕は、相手の利き手ではない方の腕にしましょう。
麻痺がある場合は麻痺側を支え、さらに腰にも手を回して腰も支えるようにすると安定します。
ふらつきが大きい場合は、相手のベルトなど掴みやすいところを掴んでおくことも効果的です。
足の力が弱い人やふらつきが多い人は、杖を使用している場合も多いです。
杖は、持った時に肘が30度ほどに曲がるように長さを調節します。
介護職は相手の杖を持っている腕の反対側の少し後ろに位置し、同じく脇の下から肘を支えるようにします。
杖、動かしづらい脚、動かしやすい方の脚の順番で歩くと安定しやすいです。
杖よりも安定した補助ができるのが歩行器です。
前や後ろ、または左右へ体が傾いてしまうような人向けの補助器です。
歩行器の高さは肘が軽く曲がる程度、少し前屈みになるくらいの高さに調節します。
歩行介助する場合は相手の斜め後ろに位置し、しっかり脇の下に手を添えてふらついたときにすぐに支えられるようにしておきます。
歩行器の場合も、進み方は、歩行器、動かしづらい方の脚、動きやすい脚の順番で、ゆっくり進む練習をしていきましょう。